最新データで読み解くマンション売却価格の推移と今後の展望 | 埼玉県の不動産売却なら埼玉不動産売却査定相談室 | ブログ

マンション売却価格の全国的な推移

過去10年間の価格推移
全国平均のマンション売却価格はこの10年間で大きく変化しました。例えば、都市部の価格はここ数年、急上昇しています。一方、地方では停滞または微増に留まる傾向があります。2010年代初頭、マンション価格はリーマンショック後の景気回復に伴い緩やかな上昇を見せました。2015年以降、東京五輪関連の需要拡大が価格上昇を加速させ、そのピークは2020年前後に訪れました。

2023年以降の動き
2023年から2024年にかけて、金利上昇の影響で買い手の動きが鈍化し、一部地域では価格調整が始まっています。しかし、都心部や人気エリアでは引き続き価格が堅調で、希少性の高い物件ほど価格の下落が限定的です。これらのデータは、売却を検討するタイミングを見極める上で重要な指標となります。

地域別の価格動向

首都圏（東京、神奈川、埼玉、千葉）
首都圏では、特に東京23区内のマンション価格が高騰しています。東京都心部の人気エリアでは、1平米あたりの価格が100万円を超える物件も珍しくありません。神奈川県では横浜市や川崎市が高値安定を維持。埼玉県と千葉県では、都心へのアクセスが良好なエリアが人気です。一方で、郊外エリアの価格は微増傾向に留まっています。

関西圏（大阪、京都、兵庫）
大阪市の中心部では再開発が進み、高価格帯の物件が市場に多く出ています。京都市では観光需要の影響で投資物件の取引も盛んです。兵庫県では神戸市中心部が依然として安定した需要を見せていますが、その他のエリアでは価格停滞が見られます。

その他主要都市（名古屋、福岡、札幌など）
名古屋市は中部圏の経済拠点として、安定した価格上昇を見せています。福岡市は人口増加が続いており、特に中心部の需要が高いです。札幌市では近年、海外投資家の関心が高まりつつあります。

築年数別の価格推移

マンションの価格は築年数によって変動し、それぞれの段階で異なる特徴を持っています。このセクションでは、新築から築古物件まで、築年数ごとに価格推移を詳しく解説します。 ・新築・築浅物件（築5年以内） 新築マンションはその立地や設備の最新性から、常に高い需要があります。特に、都市部の新築マンションは希少性も加わり、売却価格が購入時とほぼ変わらないか、むしろ値上がりすることもあります。 築浅物件（築5年以内）は、新築同様の性能を持ちながら、新築価格より少し安価なことから、購入希望者にとって非常に魅力的な選択肢となります。このため、築浅物件は市場での人気が高く、価格下落が緩やかなのが特徴です。ただし、売却時には「新築時と同等かどうか」が判断基準になるため、日頃の管理状況が価格に影響を与えます。 ・築中物件（築10～20年） 築10～20年のマンションは、価格が下がり始める時期に差し掛かります。この期間の物件は建物そのものの性能やデザインが時代に合わなくなることが理由の一つです。しかし、2000年代以降に建築されたマンションでは、耐震基準の改定や省エネ設備の普及によって、築中物件の価値が見直されつつあります。 さらに、管理体制がしっかりしている物件では価格下落が緩やかで、リフォームやリノベーションを施すことで資産価値を大幅に向上させられる可能性があります。特に、間取り変更や設備のアップデートを行うと、築浅物件に近い価格で売却できるケースもあります。売却を検討する場合、リフォーム費用と売却価格のバランスを考慮することが重要です。 ・築古物件（築30年以上） 築30年以上のマンションでは、売却価格が大幅に低下する傾向があります。その理由としては、建物の老朽化や、設備の性能が現代の基準に適合していない点が挙げられます。特に、耐震性や断熱性が不足している場合、買い手から敬遠されがちです。ただし、都心部や交通利便性が高いエリアでは、立地の良さが評価され、築年数が古くても高値で取引される場合があります。 さらに、築古マンションの中にはリノベーション需要が高い物件もあります。例えば、古いマンションを購入して自分好みに改装したいと考える買い手も多いため、売却前に簡単なリフォームを行うと売却価格が向上する可能性があります。また、将来的に再開発計画が進む地域では、マンションそのものよりも土地の価値が評価されることがあり、価格が安定することも特徴です。 ・築年数別の売却成功ポイント 新築・築浅物件： 購入後数年以内に売却を検討する場合、建物の維持管理を徹底することで価格を維持しやすくなります。 築中物件： リフォームや内装のアップデートを行い、「古さ」を感じさせない工夫をすることが重要です。 築古物件： リノベーション可能な点や立地の価値をアピールし、買い手のニーズに合わせた売却戦略を練ることがポイントです。 築年数が進むにつれて価格は下がりやすいですが、物件の管理状況やリフォーム次第で資産価値を維持・向上させることは十分に可能です。

マンション価格に影響を与える要因

マンションの売却価格は、単に築年数や立地だけで決まるわけではありません。経済的、社会的、政策的な要因が複雑に絡み合い、それぞれが価格に影響を与えています。ここでは、それぞれの要因について詳しく解説します。

経済的要因
経済状況はマンション価格に直接的な影響を及ぼします。特に注目すべきなのが金利の動向です。住宅ローン金利が低い時期には、多くの買い手がローンを利用しやすいため、需要が高まり、価格が上昇します。一方で、金利が上昇すると買い手がローンを組むのを控えるため、需要が減少し価格が下がる傾向があります。

また、景気変動も重要です。景気が好調なときは、投資用不動産としてマンションを購入する人が増えますが、不況時には購入を控える傾向があります。特に、近年のインフレや不動産投資ブームの影響で、一部エリアでは過剰な価格上昇が見られる場合もあります。

社会的要因
社会的要因としては、人口動態が挙げられます。日本では少子高齢化が進んでいますが、都市部では若い世代を中心に人口が増加し、それがマンション価格を支えています。一方で、地方では人口減少が進み、需要の減少により価格が下落する地域もあります。

また、ライフスタイルの変化も注目すべきポイントです。例えば、リモートワークの普及により、郊外や自然豊かなエリアへの移住需要が増え、一部の地方都市のマンション価格が上昇する現象が起きています。このようなトレンドは、新しいマーケットを生み出しつつあります。

政策的要因
不動産市場には、政府や自治体の政策が大きな影響を与えます。たとえば、住宅ローン減税や補助金制度は購入者にとっての大きなインセンティブとなり、需要を押し上げる要因になります。また、都市再開発や交通網の整備など、地域を活性化する施策が行われたエリアでは、マンション価格が上昇することがあります。

さらに、2024年現在では、政府が「脱炭素社会」を目指す中で、エコ性能の高いマンションが注目を集めています。太陽光パネルや断熱性の高い建材を採用している物件は、環境への配慮を重視する買い手に人気が高く、売却時に有利に働くでしょう。

マンション売却を成功させるには、これらの要因を理解し、自分の物件がどのような市場環境に置かれているのかを把握することが重要です。

今後のマンション売却価格の見通し

都市部での価格動向 都市部では、引き続き価格の堅調が予想されています。東京や大阪などの大都市圏では、交通の便が良く需要が高いエリアでは価格が維持されるか、わずかに上昇する見込みです。これは、都心回帰の動きや、利便性を重視するライフスタイルの定着によるものです。また、リモートワークが普及しても、職住近接を求める需要が根強いことも都市部の価格を支える要因です。 地方での価格動向 一方で、地方都市や郊外エリアでは、価格の下落が進む可能性があります。少子化や高齢化、そして人口減少が進む中、住宅需要が低下している地域も少なくありません。しかし、観光地や移住先として注目されているエリアでは、逆に価格が上昇するケースもあります。特に、地方自治体が移住支援策を進めているエリアでは、今後の市場動向に注目です。 2024年以降の課題とチャンス 2024年以降は、経済状況や金利動向がマンション市場に大きな影響を与えるでしょう。金利が上昇すれば需要が抑えられる一方で、物件の希少性が高いエリアでは価格が底堅く推移する可能性があります。売却を検討する場合は、こうした市場動向を注視し、タイミングを慎重に見極める必要があります。

マンション売却を成功させるためのポイント

マンション売却を成功させるためには、事前準備と売却戦略が欠かせません。以下では、具体的なポイントを解説します。 1. 複数の不動産会社に査定を依頼する マンションの査定額は不動産会社によって異なることが多いため、複数の会社に査定を依頼し、比較することが重要です。特に、地元の市場動向に詳しい不動産会社を選ぶことで、適正な価格で売却できる可能性が高まります。また、インターネット査定を利用する際は、詳細な情報を提供することで、より正確な査定額が得られるでしょう。 2. 物件の魅力を高める 売却前に物件の状態を整えることも重要です。リフォームやリペア、ホームステージング（家具やインテリアを設置してモデルルームのように見せる手法）を活用することで、買い手に良い印象を与えることができます。特に築年数が経過している物件の場合、キッチンや浴室などの水回りを整えると、購入意欲を高められる可能性があります。 3. 適切な売却タイミングを見極める マンション市場は季節や経済動向によって変動します。一般的に春と秋は引っ越し需要が高まり、売却のチャンスです。また、金利の動向や政策の変更など、経済状況も売却時期を見極める重要な要素となります。

まとめ

マンション売却価格の推移は、地域、築年数、経済状況など、さまざまな要因に左右されます。過去の価格推移を参考にしつつ、現状の市場動向や将来の見通しを考慮して戦略的に売却を進めることが成功の鍵です。また、適切な売却戦略やタイミングを選ぶことで、売却価格を最大化することが可能です。この記事の情報を参考に、ぜひ納得のいくマンション売却を実現してください。

【参考文献・データ出典】

国土交通省「住宅市場動向調査」

不動産流通経営協会（FRK）「2023年度不動産市場レポート」