住宅ローン借り換えの諸費用はいくら?審査の注意点や失敗しないためのポイントを解説
住宅ローンの金利が気になり、「今の住宅ローンを借り換えたほうがよいのでは?」と考えている方も多いのではないでしょうか。
住宅ローンの借り換えは、金利を下げることで利息の負担を減らせる可能性がある方法です。しかし、借り換えには事務手数料や登記費用などの諸費用がかかり、新しい金融機関で審査を受ける必要もあります。
そのため、金利が下がるという理由だけで借り換えを決めてしまうと、思ったほどメリットが得られないこともあります。
この記事では、住宅ローン借り換えにかかる諸費用の種類や金額の考え方、審査で確認されるポイント、借り換えで失敗しないための注意点をわかりやすく解説します。
現在の住宅ローンを見直したい方は、ぜひ参考にしてください。
1.住宅ローンの借り換えとは?
住宅ローンの借り換えとは、現在返済している住宅ローンを、新しい金融機関の住宅ローンに切り替えることです。
一般的には、新しい住宅ローンを借り入れ、その資金で現在の住宅ローンを完済します。
借り換えを検討する主な理由は、次のとおりです。
現在より低い金利の住宅ローンに切り替えたい
毎月の返済額を減らしたい
将来の金利上昇に備えて固定金利に変更したい
住宅ローンの総返済額を減らしたい
現在の返済条件を見直したい
たとえば、以前に住宅ローンを組んだときよりも条件のよい商品が見つかれば、借り換えによって利息負担を減らせる可能性があります。
ただし、借り換えには諸費用がかかるほか、新たな審査も必要です。借り換えによるメリットが諸費用を上回るかどうかを確認してから判断しましょう。
2.住宅ローン借り換えにかかる諸費用の種類
住宅ローンの借り換えでは、金利以外にもさまざまな費用が発生します。
主な諸費用は次のとおりです。
| 費用の種類 | 内容 |
|---|---|
| 融資事務手数料 | 新しい金融機関に支払う手数料 |
| 登録免許税 | 抵当権の設定・抹消などの登記に関する税金 |
| 司法書士報酬 | 抵当権の設定・抹消などの登記手続きにかかる報酬 |
| 印紙税など | 契約方法に応じて発生する税金など |
| 繰上返済手数料 | 現在の住宅ローンを完済する際にかかる手数料 |
| 経過利息など | 完済日までの利息など、契約に応じて必要となる費用 |
費用の種類や金額は金融機関や商品、契約方法によって異なります。すべての費用が必ず発生するわけではないため、借り換え先と現在の借入先の両方に確認することが大切です。三菱UFJ銀行や楽天銀行などの公式案内でも、借り換え時の諸費用として事務手数料や登記費用などが紹介されています。
融資事務手数料
融資事務手数料は、新しい住宅ローンを借り入れる際に金融機関へ支払う費用です。
商品によっては、借入額に一定の割合を掛けて計算する方式や、定額で設定されている方式があります。
たとえば、事務手数料が借入額の2.2%と設定されている商品で、3,000万円を借り換える場合、手数料は66万円になります。
一方、定額方式の商品では、借入額にかかわらず所定の手数料が設定されていることがあります。
このように、同じ借入額でも金融機関や商品によって諸費用が大きく変わる可能性があります。金利だけでなく、手数料の計算方法も比較しましょう。
登記費用と司法書士報酬
住宅ローンを借り換える場合、一般的には現在の住宅ローンに設定されている抵当権を抹消し、新しい住宅ローンの抵当権を設定する手続きが必要です。
この手続きでは、登録免許税や司法書士報酬などが発生します。
登記費用は、借入額や不動産の状況、手続きの内容などによって変わります。また、司法書士への報酬も依頼先によって異なる場合があります。
借り換えに必要な登記費用については、金融機関から案内される見積もりを確認し、不明な点があれば事前に質問しておきましょう。
現在の住宅ローンを完済するための費用
借り換えでは、現在の住宅ローンを一括返済することになります。
その際、契約内容によっては繰上返済手数料などが必要です。また、完済日までの利息などが精算される場合もあります。
インターネットでの手続きと窓口での手続きで手数料が異なる金融機関もあるため、現在の借入先に確認しておくと安心です。
3.住宅ローン借り換えの諸費用はいくら必要?
住宅ローンの借り換え費用は、借入残高や商品によって異なります。
そのため、一律に「何万円必要」とは言い切れませんが、借り換えを検討する際は、事務手数料・登記費用・現在のローンの完済費用などを合計して考える必要があります。
ここでは、諸費用を試算する考え方を紹介します。
借入残高3,000万円の場合の試算例
仮に、借り換え後の借入額が3,000万円で、融資事務手数料が借入額の2.2%の商品を利用する場合、事務手数料だけで66万円となります。
これに登記費用や司法書士報酬、現在の住宅ローンの完済に必要な費用などが加わります。
| 費用項目 | 試算の考え方 |
|---|---|
| 融資事務手数料 | 3,000万円×2.2%=66万円 |
| 登録免許税 | 登記内容や適用される税率などによる |
| 司法書士報酬 | 依頼先や手続き内容による |
| 繰上返済手数料 | 現在の金融機関の契約条件による |
| その他の費用 | 契約方法や商品による |
※事務手数料以外の金額は、条件が不明なため記載していません。上記は諸費用の一部を示した試算であり、実際の総額ではありません。
借り換え先によっては、諸費用を現在の住宅ローン残高に上乗せして申し込める商品もあります。ただし、利用条件や審査があり、費用を借り入れればその分の利息負担も生じます。
諸費用を自己資金で支払う場合と借入額に含める場合の両方を試算し、無理のない方法を選びましょう。
4.住宅ローン借り換えの審査では何を確認される?
住宅ローンの借り換えでは、新しい金融機関で改めて審査を受けます。
以前の住宅ローン審査に通っていても、今回も必ず審査に通るとは限りません。
借り換え時には、主に次のような点が確認されます。
年収や現在の収入状況
住宅ローンの審査では、年収や収入の安定性などが確認されます。
借り入れた当初より収入が減少している場合や、雇用形態が変わった場合などは、希望する条件で借り換えられない可能性があります。
自営業やフリーランスの場合は、収入の推移や確定申告書などの提出を求められることもあります。
必要書類や審査基準は金融機関によって異なるため、申込前に確認しておきましょう。
勤続年数や転職の有無
金融機関によっては、勤務先や勤続年数、職業なども審査項目になります。
転職したばかりの方や、収入形態が変わった方は、希望する商品を利用できるか事前に確認するとよいでしょう。
ただし、転職したことだけで借り換えが必ず難しくなるわけではありません。勤務先や収入状況、金融機関の基準などによって判断は異なります。
ほかの借入金や返済履歴
自動車ローンやカードローンなど、住宅ローン以外の借入金がある場合、返済負担も審査で確認されることがあります。
また、住宅ローンやほかのローンで延滞がある場合は、審査に影響する可能性があります。
借り換えを検討する際は、現在の借入状況を整理し、毎月の返済額が収入に対して過大になっていないかを確認しておきましょう。
健康状態と団体信用生命保険
住宅ローンでは、団体信用生命保険への加入が利用条件となっている商品があります。
借り換えの場合も、新たな団体信用生命保険への加入が必要になることがあり、健康状態などによっては希望する商品を利用できない可能性があります。
現在の住宅ローンで団体信用生命保険に加入できているからといって、新しいローンでも必ず加入できるとは限りません。
持病や健康上の不安がある方は、加入条件や保障内容を事前に確認しておきましょう。商品によっては、加入条件の異なる団体信用生命保険を選べる場合もあります。
担保となる不動産の状況
住宅ローンの借り換えでは、担保となる不動産についても確認されます。
不動産の所在地や種類、担保としての評価などによって、利用できる商品が異なる場合があります。
また、借り入れた当初と不動産の状況が変わっている場合は、追加の書類提出などを求められることもあります。
不動産の担保評価に関する条件は金融機関によって異なるため、物件情報も含めて事前に相談しておくことが大切です。
5.住宅ローン借り換えの審査に落ちる主な理由
借り換えを申し込んでも、必ず希望どおりの条件で承認されるとは限りません。
審査に通らない可能性がある理由として、次のようなものが考えられます。
収入が減少している
ほかの借入金が増えている
住宅ローンなどの返済に延滞がある
団体信用生命保険の加入条件を満たせない
担保となる不動産が金融機関の基準に合わない
提出書類に不足や不一致がある
ただし、これらに該当するからといって、必ず審査に落ちるわけではありません。金融機関ごとに審査基準が異なり、個別の状況を踏まえて判断されます。
審査を申し込む前にできる対策
まずは、現在の収入や借入状況、住宅ローンの残高などを整理しましょう。
また、申込時には必要書類を正確に準備し、収入や勤務先などについて事実に基づいて申告することが大切です。
ほかの借入金がある場合は、返済負担を確認したうえで、無理のない借入額を検討しましょう。
なお、審査に通るためだけに短期間で無理な返済をしたり、必要な生活資金を使い切ったりするのは避けたいところです。家計全体のバランスを考えながら準備を進めましょう。
6.住宅ローン借り換えで失敗しないための5つのポイント
借り換えで後悔しないためには、金利の低さだけで判断しないことが重要です。
① 金利だけでなく諸費用を含めて比較する
住宅ローンを比較するときは、金利だけでなく事務手数料や登記費用なども確認しましょう。
金利が下がっても、諸費用が高ければ、借り換えによるメリットが小さくなることがあります。
複数の金融機関から見積もりを取り、総支出を比較することが大切です。
② 毎月の返済額と総返済額の両方を確認する
借り換えによって毎月の返済額が減っても、返済期間が長くなることで総返済額が増える場合があります。
毎月の家計を楽にすることを重視するのか、完済までの総支出を減らすことを重視するのか、目的を明確にして比較しましょう。
③ 団体信用生命保険の保障内容を確認する
住宅ローンを借り換えると、団体信用生命保険の保障内容が変わる可能性があります。
現在の保障内容と借り換え後の保障内容を比較し、必要な保障が確保できるか確認しましょう。
金利が低くても、保障内容が希望に合わない場合は、慎重に判断する必要があります。
④ 現在の金融機関への手続きも確認する
借り換えでは、新しい金融機関との契約だけでなく、現在の住宅ローンを完済するための手続きも必要です。
完済日や必要な金額、抵当権抹消に必要な書類などを確認し、借り換えのスケジュールを調整しましょう。
手続きに時間がかかる場合もあるため、余裕を持って進めることが大切です。
⑤ 借り換えの目的を明確にする
借り換えの目的が「総返済額を減らすこと」なのか、「毎月の返済額を抑えること」なのか、「金利上昇への不安を減らすこと」なのかによって、適した商品は異なります。
目的を明確にしておくと、金利や返済期間、団体信用生命保険などの条件を比較しやすくなります。
7.住宅ローン借り換えのメリットが出るか確認する方法
借り換えを検討するときは、現在の住宅ローンをそのまま返済した場合と、借り換えた場合の総支出を比較しましょう。
考え方の基本は次のとおりです。
借り換えによる実質的なメリット=借り換え前の今後の総返済額-借り換え後の総返済額-借り換えにかかる諸費用
たとえば、借り換えによって今後の返済額が減ったとしても、諸費用が大きければ実質的なメリットは小さくなります。
また、借り換えに伴って返済期間が変わる場合は、同じ条件で比較できるよう注意が必要です。
具体的な試算では、次の項目をそろえて確認するとよいでしょう。
現在の住宅ローン残高
現在の適用金利
残りの返済期間
現在の毎月返済額
借り換え後の金利と返済期間
借り換えに必要な諸費用
金融機関の借り換えシミュレーションなどを活用し、数字を比較してから判断することをおすすめします。
8.住宅ローン借り換えに関するよくある質問
Q1.住宅ローンの借り換え費用はどのくらい必要ですか?
借入残高や金融機関、商品によって異なります。
事務手数料、登記費用、司法書士報酬、現在の住宅ローンの完済に必要な費用などを合計して考えましょう。借り換え先から見積もりを取り、総額を確認することが大切です。
Q2.住宅ローンの借り換えは誰でもできますか?
誰でも必ず借り換えられるわけではありません。
新しい金融機関で審査が必要となり、収入や返済状況、健康状態、担保となる不動産などが確認されます。利用条件は金融機関によって異なります。
Q3.転職したばかりでも借り換えできますか?
転職したばかりでも、借り換えを申し込める場合はあります。
ただし、勤続年数や収入の安定性などに関する審査基準は金融機関によって異なります。申込前に条件を確認し、自分の状況で利用できるか相談するとよいでしょう。
Q4.借り換えの諸費用も住宅ローンに含められますか?
金融機関や商品によっては、借り換えに必要な諸費用を借入額に含めて申し込める場合があります。
ただし、利用には条件や審査があります。また、費用を借り入れると、その分の利息負担が発生するため、総返済額を確認しましょう。
Q5.借り換えの審査に落ちたらどうすればよいですか?
まずは、ほかの借入金や家計の収支、必要書類などを整理しましょう。
金融機関によって審査基準が異なるため、別の商品を検討できる場合もあります。ただし、短期間に複数の申し込みを繰り返す前に、条件や必要書類を確認し、自分の状況に合った方法を検討することが大切です。
9.まとめ|住宅ローンの借り換えは諸費用と審査を確認して判断しよう
住宅ローンの借り換えは、金利を下げて利息負担を減らしたり、返済計画を見直したりする方法のひとつです。
一方で、融資事務手数料や登記費用、現在の住宅ローンの完済に必要な費用などが発生します。また、新しい金融機関で審査を受ける必要があり、収入や返済状況、健康状態、不動産の担保評価などが確認されます。
借り換えを検討する際は、金利の低さだけで判断せず、諸費用を含めた総支出や団体信用生命保険の保障内容まで比較することが重要です。
現在の住宅ローンに不安がある方は、まず契約内容や残高、残りの返済期間を確認してみましょう。そのうえで複数の金融機関の条件を比較すれば、自分に合った選択肢を見つけやすくなります。
住宅ローンは長期間にわたって家計に影響する契約です。焦って借り換えを決めるのではなく、必要な費用と審査の条件を理解し、将来の生活も見据えた返済計画を立てましょう。
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